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備蓄って必要? 自治体が用意してるでしょ?

更新日:8月16日

備蓄は、各家庭で必要です!


国や自治体でも確かに防災備蓄用品は用意されています。


避難所や避難所となる施設にも用意はありますし、

日頃 企業防災として職場で備蓄品を目にしている方は

『ウチの近くにも大きな会社があるし、いざとなったら助けてくれるはず』

という期待もあるかもしれないですね。


防災備蓄倉庫

ですが、

防災用品だって、タダじゃありません。


そして保管にはスペースが必要で、管理をする手間もかかっています。

土地が必要で建物が必要で、定期的にチェックしたり入れ替えたり、誰かがやっているのです。


企業の備蓄は自分の会社の社員の分ですし、

どんなに大きな自治体でも、無尽蔵に備蓄があるわけではありません


その地域に属する人全員が、数日間不自由なく飲み食いしてトイレにも行けるような備蓄を

自治体や避難所だけで賄うのは無理ですし、

避難所だって収容できる人数には上限があります。


防災に割く予算は自治体それぞれで違うので一概には言えませんが、

地域の人口の 1%~数% 分、もしくはそれより少ないこともあります。


 

じゃあ何のための備蓄なのよ?


もちろん地域に住んでいる住人のためではあるのですが、


たとえば、自宅が倒壊、または倒壊の危険が高くて帰れなくなってしまったり

けがをした人や体の不自由な人、高齢者など

どうしようもない状況で、助けが必要な方がいるかもしれません。


自分がもし着の身着のままで家がなくなってしまって

避難所へ行くしかなく、物資を分けてもらわないと水も食料もないような状況だったら

行政の助けを頼るしかない……ということは想像がつくかと思います。


そんな状況で

家が無事で、怪我もなく一人で生活できる健康な大人が我先にと避難所へ押しかけて

物資を持って行ってしまうのは、違うと思いませんか?


物資を配布するにしても、詰め寄せた人に手当たり次第に渡していくわけにはいきません


煮炊きしないと食べられない食料は、誰かが炊き出しを行わなければならず

被災した直後に『さあ炊き出しだ!』と動き始める わけでは ないです。


倉庫写真

被害状況の把握、救助活動、インフラ整備など

備蓄物資が役に立つような大きな災害が発生した状況であればあるほど

自治体からの物資の配布には、時間がかかりますし、人手も必要です


地域の人たちが役割を分担して

安否確認や家族構成・人数の把握、物資の管理や炊き出しを行うこともあります。

ホテルのお客様のように、待っているだけで自治体がお世話をしてくれるわけではないことは

自覚しておかなくてはならないことです。


何もかもを自治体に頼るには……?

税金を上げて防災に予算を割いてもらうしかないわけですが……


ただし、地震をはじめとする災害の怖いところは

その備蓄倉庫が被災しないとも限らない、ということです。


どんなに『いざというときの役割』を事前に決めていても

決めたとおりにその瞬間に動き出せるとも限りません。

担当者が休みだったり、体調不良だったり、本人が被災してしまうことだってあり得ます。


支援物資は当然ながら届くまでに時間がかかります。

支援物資の配布イメージ

  • 物資は届いているけど、運べない

  • 配布する順番や相手がわからない

  • 分類、確認、分配、運搬…人員が足りない


支援物資の申し出をしても、被災地の現場が受け入れられる状況ではない場合もあります。

せっかく届いても必要としている地域に配布ができないかもしれません。

動ける人が動き、できることを協力しあって地域全体を守る態勢が整うまでの数日間。

各家庭で乗り切れるように備えましょう。


 

食べて、飲んで、出せること!


トイレだけは本当に、絶対に、我慢ができません。


トイレが使えなかったらどこで出しましょう?

対策はありますか?

備蓄の基本は食べ物、飲み物、簡易トイレ

携帯トイレや簡易トイレセットは、快適な使い心地を提供することはできませんが

なんとか出せる、それだけでいいから不足なく備えてほしいです。

必要な時に足りなくなったら、本当に困ります。


まずは凝固剤とトイレットペーパーだけでもいいです。

(袋はゴミ袋でもなんでも、中に入れられさえすれば使えますので)


災害が起きなかったら使わないかもしれないでしょう…? というお気持ちもわかりますが

起きてからでは遅いのです


地震は、いつ起きるかわかりませんが、いつか必ず発生します

もしかしたら自分が生きているうちには来ないかもしれないけれど、明日起きるかもしれません。


家族の安全を守り、自分たちが生き延びて災害を乗り切るためにも

ご家庭の備えを考えていただきたいと思います。


 

町内会の備えも、全員分は難しい


ポイレも、町内会などの備蓄用としてご購入いただく機会も多くございます。


都道府県や市などの大きな規模ではなく

もっと身近な町内単位で備えを考えていただけることは

とても素晴らしいですよね!


ただ、どうしても「予算」というものがどんな組織にだってありますから

『たくさんは難しいけど、1回分ずつだけでも配布したい』という場合が多いです。


1回分の携帯トイレを配ることで、

各家庭での備えを意識して準備してほしい


という期待が、お話を聞いているととても伝わってきます。


自分の家は簡易トイレを持っていて処理できても、

隣近所の人がもし準備していなかったら

そこら中に排泄物があふれてしまう可能性もあるわけですからね。


衛生環境の悪化は、個人や家族単位だけではなく、地域全体の危険につながります


それに、仮設トイレが設置されたとしたらご近所の人たちで共用で使うことになります。


簡易トイレを使ったことがある人なら

非常時のトイレで気を付けることがある程度わかりますが

意識したことのない人だと、必要なものや使い方、気を付けることがわからないかもしれないです。


他人のトイレの使い方って、確認しにくいし、注意もしにくいです。


共用の仮設トイレが一度汚されてしまったら、水が十分に使えない状況であれば

掃除することも難しい。

でも、放置していても誰かがやってくれる、とはいきません。


「トイレのそなえをしてください」と言うだけではイメージができにくいですが、

実際にどんなものなのか実物を手に取ったことをきっかけにして

備えに向けた行動を促すことができたら、私たちもとても嬉しいです。



 

いつものトイレが使えない状況は、想像以上に生活が困難になります。


もちろん、簡易トイレもタダではないので

ご自身の分をご自身で購入してもらうことになるわけですから、


ウチは庭でするからいらない

妻も娘も子供もみんな、山でできるから問題ない

川が近いから大丈夫


と言われてしまうと、無理に買えとは言えません。


ご近所の人が一日5回程度のおしっこやウンチをしても

乾燥した糞尿が風で飛ばされてきても気にならず

生活用水として使う可能性がある川も大きくて

ハエが沸いたり臭いに困ることもないだろう!


と思えるような土地もあります。


嫌味ではなく、私も田舎出身ですので、お気持ちは本当にわかります。

ご家庭のことはご本人が一番わかっていますし

外からあれこれ強制することもできないので


良く状況を考えて、必要な分を揃えていただけたらと思います。


必要なのにない、という状況にだけは、どうかなりませんよう

本当に心から願っています。

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