災害直後こそ「携帯トイレの使い方」を徹底する
- info3175414
- 5月11日
- 読了時間: 7分
更新日:5月14日
災害時の備えとして「トイレ」は優先順位の高い項目です。
水と食料、そして人間の生理現象である排泄も、止めることはできません。
災害時、電気やガスと並んで「水道」が止まることは少なくありません。
このとき真っ先にやめるべきなのが、水洗トイレの使用です。
断水中に便器へ排泄してしまうと流せません。
溜まり続けた排泄物は、悪臭・感染症・害虫発生など、衛生環境を一気に悪化させてしまいます。
その影響は家族だけでなく、避難所や周囲の人にも及びかねません。
だからこそ、発災直後から「携帯トイレを使う」ことを徹底することが非常に重要です。
携帯トイレがあれば、普段使っているトイレ空間をそのまま活かせます。
水も電気も不要、準備も設置もすぐにできます。
最低3日分、可能なら1週間分の備えを。
人数×1日あたりの回数で必要量を計算し、袋と凝固剤を確保しておきましょう。
「トイレに困らない」という安心が、心と体の健康を支えます。
携帯トイレは混乱の最中で迷わず使えるメインのトイレとして想定された製品なので、配布しやすく使い方も簡単です。
命を守る備えとして、水・食料と並んで携帯トイレの準備を忘れないでほしいです!

たとえ突然の大災害に見舞われた時でも、人は数時間以内にトイレに行きたくなります。
地震が発生して揺れが収まった時点で「助かった」と思っても、まだ安心はできません。
津波や火災、土砂崩れの危険が続き、ライフラインの復旧にも時間がかかるとしたら
いつものように水道や電気が使えるまでには、数日から場合によってはそれ以上の時間を要します。
水洗トイレは使えない
災害時、水が止まると、水洗トイレは使用できなくなります。
下水管や配管にダメージがある場合も、水洗トイレの使用は控えることになります。
水が流せなければ、排泄物は便器に溜まるだけで、衛生的にも非常に危険です。
ここで活躍するのが【携帯トイレ】です。
発災後の誰もが混乱している中で、仮設トイレがまだ届かず水洗トイレが使えない状況でも、すぐに取り出して使うことができます。
「携帯トイレ」とは、排便袋と凝固剤のセットで、排泄物を吸水・処理する簡便な非常用トイレです。
かつては「簡易トイレ」とも呼ばれていましたが、最近では、便座付きや排泄物処理機能などを持つ装置を「簡易トイレ」と呼び分ける傾向にあります。
ポイレは「携帯トイレ」となります。特に災害直後に即時使用できることを重視した製品です。
「トイレ」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、
個室で鍵がかかり、壊れず、覗かれず、便座が安定している空間――ですよね。
しかし、災害時にはこうした理想的な空間をすぐに確保することは困難です。
発災直後は誰もが命を守ることで精一杯。
仮設トイレやマンホール型トイレの設置には時間がかかりますし、普段のトイレのようなしっかりした一室はなかなか用意するのは難しい。
一方で、排泄のタイミングは待ってはくれません。
まずは「今あるトイレ」を活かす
携帯トイレの最大のメリットは、避難所や自宅、勤務先などにある"普段使っているトイレ空間"をそのまま活かせることです。
足腰に不安がある人でも使いやすい
女性や子どもでも安心
特別な設置や輸送が不要
すぐそばにある
たとえば「ポイレ」は、120回分で枕の半分ほどのサイズ、80回分でトイレットペーパー2個分程度のスペースで保管できる、家庭のトイレにも備蓄しやすい設計です。
黒い排便袋と、排泄物を吸水する凝固剤だけのシンプルなセットで、使い方や手順に迷うことなく直感的に使えます。
「でも便器がないとトイレできないじゃん?」とおっしゃる方もいますが、逆に、簡易便器だけがポンと置かれていても、用は足せませんよね。
簡易の便器は、いざ使うとなると組み立てて設置して、結局は携帯トイレをそこにセットして使う商品も多いです。
混乱した状況、もしもそれが夜間で停電しているような場面だったとしてら、
むしろ、安心して排泄できる空間(いつものトイレ)を活かし、便器を汚さず使える携帯トイレこそが現実的な選択肢だと思います。
携帯トイレは"初動"の主役
仮設トイレの設置には数日を要します。
携帯トイレは、災害直後の数日間を乗り切るための「メインのトイレ」です。
プラスチック製や段ボール製の簡易便器もありますが、個室空間の確保や、携帯トイレとの併用が前提の製品も多く、使い方に制限があります。
簡易便器を使うには、その便器を置く場所を用意しなくてはなりません。
一人暮らしで室内使用が可能な場合
便器が壊れて使えない場合にトイレに置く
更衣室や別室で補助的に設置する場合
ワンボックスカーなどでの車中避難
小さなお子様や高齢者のいる家庭
夜間、移動が困難なときのサブトイレ
いくら家族でも、便器に座っている姿が丸見えなリビングに置くことは考えにくいですし、避難所に持って行ったとしても設置する場所がなければ使いにくいです。
テント付きのトイレは屋外設置型の簡易仮設ですが、風で倒れる、夜間に透ける、防犯上不安があるなどの課題もあります。
屋内にテントを設置するくらいなら、普段のトイレをそのまま使う方が効率的です。
簡易便器やテント付き便器が活躍するのは、災害発生直後の数時間ではなく、
■いよいよ自宅避難を本格的に開始することが決まった後
■避難所のトイレの数が足りず、簡易トイレスペースが用意されるなどルールができてから
いずれにしても家族の安否確認ができて、自宅や避難所近辺の安全が確認され、「ここでしばらく過ごすことになる」と分かってからではないでしょうか。
避難所でも家庭でも、まず最初に携帯トイレの使い方を徹底する
どんな時でもトイレだけは待ったなしです。
水が使えない、という状況では
真っ先に水洗トイレの使用をやめて、便座の下に袋をかぶせてテープで固定して
携帯トイレをまず配布することをお勧めします。
たった一回の排泄であっても、便器に直接排泄物を出してしまえば水が復旧するまでずっとそのままになる可能性があります。
避難所であれば携帯トイレを配布し、使い方をトイレに貼るなどして、ひとりひとりトイレを使ったら袋ごと取り換える使い切りを徹底しましょう。
立派なトイレを持っていても、使える環境でなければ意味がありません。
震災時に支援物資として送られた組み立て式トイレが、組み立てられないまま破棄された事例もあります。
組み立て方が分からない、手が足りない、避難所の体制が整っていない──
そんな中でも携帯トイレならすぐ使えます。
行政にも限界があります、自分の命は自分で守ることを考えて
災害時に、行政がひとりひとりの状況に合わせて支援するのは困難です。
行政は万能ではありません、ご自分の命を行政に委ねるのではなく自助・共助を基本に考えてください。
そのための備えの中に、携帯トイレを忘れずに加えていただきたいです。
トイレが使えないと、命に関わります
不衛生で不快な環境や、怖い・暗い・遠いトイレ環境が、集団生活下での健康リスクを高めます。
トイレに行きたくないから水分を控える――
そんな心理から、以下のようなリスクが高まります。
脱水症状
低体温
免疫力低下
血栓症や心筋梗塞、脳梗塞
下痢や便秘
感染症(インフルエンザ、ノロウィルスなど)
普段なら大したことがないような身体の不調であっても、薬や食べ物が思い通りに揃わないような非常時には命の危険に繋がります。
袋と凝固剤さえあれば、普段のトイレが使える
携帯トイレは、使い方がシンプルな非常用トイレです。
保管場所も省スペースで済みます。
ぜひご自身の分、家族の分、しっかり備えてください。
【トイレ回数 × 人数 × 日数】を目安に、最低3日分、可能であれば1週間分を。
例:4人家族 × 1日5回 × 7日 = 約140回分
『何日かすれば仮設トイレが届く』と思っていても、その“何日か”の間、排泄は続きます。
おむつを使い回さないのと同じように、携帯トイレも使い切りが基本です。
袋を便器にかぶせて排泄し、凝固剤を入れて袋を閉じる。
たったこれだけで、衛生状態を大きく改善できます。
地震、台風、大雨、落雷、積雪──どんな災害でも、トイレの備えは命を守ります。
今できる備えとして、携帯トイレの準備を、どうか忘れないでください。